市場連動型プランはやばい?やめた方がいい?メリット・デメリットを解説!

「最近、電気代が気になる…」「新しい電力プランって色々あるけど、よくわからない」と感じていませんか?

特に「市場連動プラン」という言葉を耳にする機会が増えたかもしれません。

「一体どんな仕組みなの?」「従来のプランと何が違うの?」「メリットだけじゃなく、デメリットやリスクもあるんでしょ?」など、疑問は尽きないですよね。

市場連動プランは、電気の市場価格によって料金が変わる、新しいタイプの料金プランです。

うまく使えば電気代を節約できる可能性がある一方で、注意すべき点もあります。

この記事では、そんな市場連動プランについて、仕組みやメリット・デメリット、どんな人に向いているのか、そしてご自身の契約プランの確認方法まで、わかりやすく徹底解説します。

この記事を読めば、市場連動プランの全体像がわかり、ご自身に合ったプランなのかどうか判断できるようになります。

ぜひ最後までご覧いただき、最適な電力プラン選びの参考にしてください。

市場連動プランがやばいと呼ばれる理由

「市場連動プランはやばい」という声を聞いたことがあるかもしれません。

なぜ、そのように言われるのでしょうか。主な理由は、電力市場価格の急激な高騰リスクにあります。

特に2021年初頭、寒波による電力需要の増加と供給力不足が重なりました。

その結果、JEPXの市場価格が一時的に異常な水準まで高騰したのです。

この時、市場連動プランを契約していた一部の家庭では、電気代が数倍から数十倍にも跳ね上がるケースが発生しました。

普段と同じように電気を使っていただけなのに、数十万円もの請求が届いたという事例も報道され、大きな衝撃を与えました。

この出来事が「市場連動プランはやばい」というイメージが広まる大きなきっかけとなったのです。

市場連動プランで電気代が10倍以上になった事例も

特に記憶に新しいのは2021年1月、断続的な寒波が日本を襲った時期でしょう。

寒波の影響で電力需要が急増した一方で、発電燃料の不足などが重なり、JEPXの市場価格が異常なレベルまで高騰しました。

この影響で、市場連動プランを契約していた家庭では、電気代が前月比で数倍、場合によっては10倍以上に膨れ上がったケースも報告されています。

普段通りの生活で数十万円の請求が来るという現実は、多くの人に衝撃を与え、このプランのリスクを強く印象付けました。

市場連動プランは毎月の電気代が予測しづらい

市場連動プランは、市場価格の変動を直接受けるため、月々の電気代を正確に予測することが非常に困難です。

従量電灯プランであれば、使用量がある程度予測できれば、電気代の見通しも立てやすいです。

しかし、市場連動プランでは、同じ使用量でも市場価格次第で請求額が大きく変動します。

これにより、家計の計画が立てにくくなるというデメリットがあります。

「今月はいくらになるだろう」という不安が常につきまとう可能性があり、これが精神的な負担、「やばい」と感じさせる一因にもなっています。

市場連動プランは青天井?料金上限がない電力会社も

多くの市場連動プランでは、料金単価の上限が設定されていない場合があります。

従量電灯プランには、かつて規制料金として上限がありましたが、自由化後のプランや市場連動プランには、法的な上限設定義務がありません。

これは理論上、市場価格がどこまでも上昇すれば、電気代も際限なく上がってしまう可能性があることを意味します。

もちろん、極端な高騰は稀ですが、「青天井」のリスクが存在することは事実です。

この上限がないという仕組み自体が、「やばい」と言われる構造的な理由の一つと考えられます。

市場連動プランとは?

最近よく耳にする「市場連動プラン」とは一体どういった電力プランなのでしょうか?

初心者の方でも分かりやすいよう詳しく解説します。

市場連動型プランの仕組み

市場連動プランの電気料金は、日本卸電力取引所(JEPX)の価格に連動します。

この市場価格は、電力の需要と供給のバランスによって決まります。

そして、なんと30分ごとに変動するのが大きな特徴です。

つまり、電気を使う時間帯によって料金単価が常に変わるわけです。

電力会社はこの市場から電気を仕入れ、その価格に基づいて私たちの電気代が決まります。

この仕組みにより、電力の仕入れ値に近い価格で電気を利用できる可能性があるのが、この市場連動プランなのです。

従量電灯プランとの違い

従来の「従量電灯プラン」は、電気を使った量に応じて料金単価が変わる段階制です。

さらに、毎月「燃料費調整額」が加算または減算され、これが電気代に影響します。

一方、市場連動プランは、JEPXの市場価格そのものが料金の基本となります。

そのため、燃料費調整額がかからない、もしくは計算方法が異なる場合が多いです。

料金決定のベースが「使用量に応じた固定単価+調整額」か、「変動する市場価格」か、という点が最も大きな違いと言えるでしょう。

市場連動プランのメリット

市場連動プランには、いくつかのメリットがあります。

電気代が安くなる場合がある

市場連動プランの魅力の一つは、電気代が安くなる可能性があることです。

電力市場の価格は、電気が多く使われない時間帯に下がる傾向があります。

具体的には、多くの人が寝ている深夜や、活動が始まる前の早朝などです。

もし、洗濯や乾燥、食洗機の利用などをこれらの安い時間帯に集中できれば、効果的に電気代を節約できます。

ライフスタイルを少し工夫することで、従量電灯プランよりもお得になるケースがあるのです。

燃料費による値上げのリスクが低い

多くの市場連動プランでは、「燃料費調整額」がかからない、または仕組みが異なります。

従量電灯プランの場合、火力発電の燃料(LNGや石炭など)の価格が高騰すると、燃料費調整額が上がり電気代も大きく値上がりします。

しかし、市場連動プランはこの影響を直接受けにくいのです。

もちろん市場価格自体が他の要因で変動しますが、燃料価格の動向に直接左右されにくい点はメリットと言えます。

世界的な燃料価格の変動リスクを避けたい方には魅力的な点でしょう。

市場連動プランのデメリット

一方で、市場連動プランには注意すべきデメリットも存在します。

市場価格の高騰リスク

市場連動プランの最大のデメリットは、市場価格が高騰するリスクがあることです。

電力需要が供給を大幅に上回ると、市場価格は急激に跳ね上がります。

例えば、夏の厳しい猛暑で冷房需要が急増したり、冬の寒波で暖房需要が高まったりした場合です。

また、大規模な発電所のトラブルで供給力が低下した場合も同様です。

このような時に電気を使うと、普段の何倍もの料金単価が適用され、電気代が非常に高くなる恐れがあるのです。

予期せぬ高額請求の可能性

市場価格の高騰リスクは、そのまま予期せぬ高額請求につながる可能性があります。

市場連動プランは料金単価が常に変動するため、月々の電気代を正確に予測するのは困難です。

「先月と同じくらいしか使っていないのに、請求額が倍以上になった」という事態も起こりえます。

特に、市場価格の情報をこまめに確認せず、価格が高い時間帯に無意識に電気を使い続けてしまうと、後で驚くような請求が来るかもしれません。

この予測不能性が、市場連動プランの怖い側面でもあります。

市場連動プランが向いている人

では、どのような人が市場連動プランに向いているのでしょうか。

電気代の急激な高騰にも備えられる人

市場連動プランを選ぶ上で重要なのは、価格変動リスクへの備えです。

万が一、市場価格が高騰し、電気代が想定外に高額になったとしても、家計的に支払いができる余裕があることが望ましいです。

貯蓄に余裕がある、あるいは一時的な支出増に対応できる柔軟性を持つ人に向いています。

リスクを正しく理解し、「高くなる可能性もある」と納得した上で選択できるかどうかが重要です。

経済的な体力とリスク許容度が求められるプランと言えるでしょう。

電気代の節約意識が高い人

市場連動プランのメリットを最大限に活かすには、高い節約意識と行動力が不可欠です。

ただ漫然と電気を使うのではなく、電力市場の価格情報をこまめにチェックする必要があります。

そして、価格が高い時間帯には電気の使用を控え、安い時間帯にずらすといった工夫(ピークシフト)が求められます。

こまめに電力使用量確認し、積極的に電気の使い方を見直せる人が、このプランの恩恵を受けやすいでしょう。

市場価格が安い深夜・朝に家事をする人

ご自身のライフスタイルと市場連動プランの相性も重要な判断材料です。

一般的に電力市場価格は、需要の少ない深夜から早朝にかけて安くなる傾向があります。

そのため、夜間に洗濯乾燥機や食洗機をタイマーで動かしたり、朝早く起きて活動を開始したりする生活パターンの人は有利です。

に、日中の在宅時間が長く、昼間に多くの電気を使う家庭の場合は、価格が高い時間帯の利用が増え、市場連動プランが不利になる可能性も考えられます。

市場連動プランかどうか調べる方法

「もしかして自分の契約も市場連動プラン?」と不安に思う方もいるかもしれません。

契約内容を確認する方法はいくつかあります。

電力会社の契約書を見る

ご自身の契約が市場連動プランかどうかを確認する最も確実な方法は、電力会社との契約時に交わした契約書を確認することです。

約書には、契約している電気料金プランの正式名称や、料金の計算方法が明記されています。

プラン名に「市場連動」や「JEPX連動」といった言葉が含まれていないか、料金体系の説明箇所に市場価格に関する記述がないかなどを注意深くチェックしましょう。

もし契約書が見当たらない場合は、他の方法で確認が必要です。

検針票・請求書をチェック

契約書が見当たらない場合でも、毎月送られてくる「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」や請求書で契約内容を確認できます。

これらの書類には、現在契約中のプラン名が記載されているはずです。

また、料金の内訳部分も確認しましょう。「市場価格調整額」「卸電力市場料金」といった、市場連動プラン特有の項目が含まれている場合があります。

最近では、電力会社のホームページにあるマイページ上でも契約情報を確認できることが多いので、そちらも併せてチェックすると良いでしょう。

まとめ

市場連動プランは、電力市場の価格に連動して電気料金が決まる新しいタイプのプランです。

安い時間帯を狙って電気を使えば、電気代を節約できる可能性があります。

また、燃料費調整額の影響を受けにくいというメリットもあります。

しかし、市場価格が高騰すると電気代が急激に上がるリスクも伴います。

予期せぬ高額請求につながる可能性も否定できません。
このプランは、価格変動リスクを許容でき、積極的に節電に取り組める人に向いています。

また、深夜や早朝に電気を多く使うライフスタイルの方にも適しているでしょう。

ご自身の契約が市場連動プランか不明な場合は、契約書や請求書、電力会社のホームページやアプリで確認してください。

メリットとデメリットをよく理解し、ご自身の状況に合ったプランを選ぶことが重要です。